中小企業向け新規事業の考え方
大企業から中小企業・ベンチャーの新規事業開発を支援する村井庸介が、それぞれの企業で見てきた問題解決の視点について解説していきます。
この記事ではクラフトビール会社の新規事業で年商1億円を達成してから1.5倍2倍へと成長させてきたその実践的なノウハウを紹介しています。
またコンサルティング会社として新規事業の立ち上げをサポートした、または大手の会社とのお仕事から培ってきた経験をお届けしています。
今回は中小企業ではどういう新規事業を考えればいいか解説していきます。
目次
中小企業向け新規事業の考え方
【村井 庸介(むらい ようすけ)】大学卒業後は株式会社野村総合研究所に入社し、通信業・製造業の新規事業開発などの経営コンサルティングに携わる。その後、リクルート、グリー、日本アイ・ビー・エムなどで、法人営業・戦略計画・人事の仕事を歴任。2015年からはメガネスーパーでの事業開発・提携を通じて同社の黒字化・再生に貢献。独立後は、転職経験を活かし、自ら出資した企業複数社で取締役として経営、大手企業向け新規事業、中小企業の経営者向けコンサルタントの3本を主な活動の柱としている。出資したアウグスビールでは、新規事業子会社を立上げ、「クラフトビール工場(マイクロブルワリー)」の立上げから運用まで一気通貫で支援するサービスを提供開始した。広告予算を使わない広報による「ゼロ円集客」で1000万円商材の販売の仕組み化に成功している。
中小企業における新規事業はゲリラ戦
中小企業における新規事業はゲリラ戦です。
例えばベトナム戦争を例に考えてみましょう。
ベトナム戦争では兵器も兵力も圧倒していたアメリカ軍がこの時は敗北してしまいました。
この時ベトナムの人たちは「戦う場所」を決めて「相手の強みをかき消し」そして「自分たちの強みを生かす」という事を行いました。
この時はアメリカ人よりも体格の小柄なベトナム人が、細い穴倉にアメリカ人を誘い出し、身動きが取れなくなったところを攻撃するというゲリラ攻撃が行われました。
通常では勝てない相手でも小柄な体格を生かし、アメリカの強みを生かせない場所で戦っていたのです。
このようなゲリラ戦の発想を中小企業に当てはめて新規事業に活かしていく事が重要です。
大企業や周りの企業が参入しやすい所で戦わないで自分たちの企業の強みが活かせるところに引き込むという事が大切です。
つまり「既存のお客様」がいる中で「新しいサービスや商品」を提案すると非常に有効です。
元々のノウハウや地域という事も強みになってきます。
今までの関係性がしっかり作られているお客様であれば大企業が攻めてもいきなり関係性が崩れるという事は起こりません。
そうすると自分たちの得意な場所で既存顧客との関係性を活かし、お客様の理解もある状況で戦うことが出来ます。
しかし、いきなり大企業とおなじことを使用としてもノウハウが無かったりするので失敗しがちになります。
既存のお客様に対して新しい商品・サービスを提供していく、あるいは自分たちだけが貯めてきたノウハウを今までなかった新しい市場に展開していくという事が重要です。
このどちらかを推進していく事が中小企業におけるゲリラ戦としての戦い方になると思います。
これは大企業にとっては似たようなサービスを立ち上げようと思ってもなかなかうまくいかないという事があります。
中小企業向け新規事業の考え方まとめ
例えば私の関わっているクラフトビール事業で言うと、クラフトビールの開業支援商品企画というものを自分たちのノウハウとして持っていました。
上場企業クラスのコンサルティング会社が似たようなサービスを始めたのですが、彼らがビールの作り手では無いですし、ネットワークは持っていたのですが細かい質問にも答えられないという事がありました。
このような場面でコンペをした時に、自分たちのノウハウを生かしてコンペにも負けないゲリラ戦に持ちこむという事が出来た事例もあります。
繰り返しになりますが中小企業において新規事業というのはゲリラ戦です。
このように得意な場所・強みを活かし、消耗戦を避けて勝つことが可能になります。
ぜひ取り入れてください。
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