経営者のハマりがちな新規事業の落とし穴3選

大企業から中小企業・ベンチャーの新規事業開発を支援する村井庸介が、それぞれの企業で見てきた問題解決の視点について解説していきます。
この記事ではクラフトビール会社の新規事業で年商1億円を達成してから1.5倍2倍へと成長させてきたその実践的なノウハウを紹介しています。

またコンサルティング会社として新規事業の立ち上げをサポートした、または大手の会社とのお仕事から培ってきた経験をお届けしています。
今回は経営者の方が陥りがちな新規事業の落とし穴を3つ紹介していきます。

目次

新規事業の落とし穴3選

【村井 庸介(むらい ようすけ)】大学卒業後は株式会社野村総合研究所に入社し、通信業・製造業の新規事業開発などの経営コンサルティングに携わる。その後、リクルート、グリー、日本アイ・ビー・エムなどで、法人営業・戦略計画・人事の仕事を歴任。2015年からはメガネスーパーでの事業開発・提携を通じて同社の黒字化・再生に貢献。独立後は、転職経験を活かし、自ら出資した企業複数社で取締役として経営、大手企業向け新規事業、中小企業の経営者向けコンサルタントの3本を主な活動の柱としている。出資したアウグスビールでは、新規事業子会社を立上げ、「クラフトビール工場(マイクロブルワリー)」の立上げから運用まで一気通貫で支援するサービスを提供開始した。広告予算を使わない広報による「ゼロ円集客」で1000万円商材の販売の仕組み化に成功している。

それでは新規事業の落とし穴を3つ紹介していきます。

1、話題や流行に流される

流行している物の話は経営者同士の会話の中でも出てきがちではありますが、それに流されると失敗してしまいます。
新しいことにチャレンジするのは良いことですがどんな会社も向き不向きというものがあります。

自社のビジネスや人材に合っているかというところを考えずに新規事業として始めてしまうとどうしても失敗しがちになります。

・ノウハウを生かした状態で新しいお客様に向かう
・既存のお客様に新しく提案する

 

これらを意識することが大切です。
話題や流行に乗ったビジネスはどちらにも当てはまらないことが多くリスクが高いので注意しましょう。

 

2、リソースが足らない状態で新規事業を始めてしまう

リソースが足りない状態で新規事業を始めてしまうと失敗するリスクが大きいです。
新しいビジネスのアイデアが浮かんだらすぐに初めてしまいたくなりがちですが、その時に考える必要があることがあります。

 

・どの社員・社長がそのビジネスをやるのか
・どれくらいの予算がかかるのか

 

これらを考えたときに、人員不足というのがよく起こりがちです。
既存事業の人員が新規事業に異動してもしっかりビジネスを回していける「余白」があるか確認しましょう。

また、新規事業にお金や時間を使っても会社自体に余裕があるという状態にしておく必要があります。
アイデアを思い付いたらすぐに新規事業を始めたくなりますが、冷静になって既存事業の「余白作り」というものをしっかりと行いましょう。

3、同じものさしで測らない

既存事業というのは利益が一定以上出ていて、今年頑張れば昨年対比20%利益が増えるという事が数字で予想を立てることが出来ます。
しかし、新規事業というのは不確実で勝ちパターンというのが見えてきません。

例えば1年後の事業計画の売り上げを何%上げましょうといっても、計画通りにはいきません。
だから、新規事業においては勝ちパターンが見えるまではあえて予算を持たないというのが重要になってきます。

 

「1年以内に芽が出なければ完全撤退するぞ」とあまりにも硬く決めすぎると、あと半年頑張っていれば芽が出ていたかもしれない事業をつぶしてしまうことになるかもしれません。
大きな会社で既存事業の延長線上にあるような場合を除いては、既存事業と同じものさしで測らないという事が重要になってきます。

 

まとめ

 

➀話題・流行には乗らない
②リソースを考える
③既存事業と同じものさしで測らない

 

まずは自社の向き不向きに合ってるかをしっかりと検討しましょう。
そして新規事業に人やお金や時間を使えるだけの既存事業の「余白」を作りましょう。

最後に新規事業は不確実で勝ちパターンが見えないので、既存事業と同じものさしで測らない事が大切です。

これらの方法をぜひチェックリストとしてでも活用してみてください。

 

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